AIに毎回、文章の書き方や報告書の並べ方を説明していませんか。Geminiの「Skills(スキル)」は、そうした繰り返しの指示を保存し、チャットで再利用するための機能です。

Googleは2026年9月30日、GeminiのSkillsと、Gemsからの移行を発表しました。[1]この記事では、2026年10月6日に確認したGoogle公式情報をもとに、機能・アカウント別の移行案内・基本操作を整理します。後半の業務例と指示例は、Good Steadによる提案です。

この記事のポイント
  • Skillsは、特定の仕事に使う指示を保存し、チャットで再利用する機能です。
  • Gemsの移行時期は、個人・企業・教育のアカウントで異なります。
  • まずは「週報の整形」など、一つの用途に絞った指示から試します。

GeminiのSkillsとは

Skillsは、Geminiに特定の作業の進め方を伝える、再利用可能なカスタム指示です。Googleは、繰り返す依頼を毎回入力する代わりに、スキルとして保存し、必要なチャットで使う機能と説明しています。[2]

たとえば「週報は、実施したこと・残っている課題・次の予定の順にまとめる」という指示を保存しておけば、日々のメモを渡す際に、同じ書式の説明を繰り返さずに済むように設計できます。この週報の使い方は、Good Steadが提案する例です。

01 / In chat

チャットから使う

公式ヘルプの操作案内では、チャットで「/」を入力し、使用するスキルを選びます。[3]

02 / Automatic use

関連する指示を自動で適用

Geminiは、タスクに関連する有効なスキルを自動的に使うこともあります。[3]

03 / Combine

複数の指示を組み合わせる

一つのチャットで複数のスキルを組み合わせられます。Googleは、文章のスタイルとブランドの指針を合わせる例を示しています。[1]

04 / Focus

一つの仕事に絞って作る

Googleの作成ガイドは、短く焦点を絞った指示、出力の書式、避けたい間違いを記すことを勧めています。[5]

Gemsからの移行は、アカウント別に確認する

Gemsは、応答を自分の用途に合わせてカスタマイズする機能です。Googleは、これをSkillsへ移行する方針を発表しています。[1]ただし、個人用と組織用ではスケジュールが異なります。

以下はGoogleが公表している移行予定です。個人アカウントはGeminiアプリの移行ヘルプ、組織アカウントはGoogle Workspaceの管理者向け案内で確認しました。[2][4]

アカウント公式の時期案内移行に関する案内
個人のGoogleアカウント2026年11月から移行Gemsの提供終了に伴い、Skillsへ自動移行すると案内
Workspace Business・EnterpriseGemsの利用終了は、2027年3月1日より前には行わないと案内残っているGemsは、無効な下書きのSkillsへ移行。作成者による確認・有効化が必要
Workspace EducationGemsの利用終了は、2027年6月1日より前には行わないと案内残っているGemsは、無効な下書きのSkillsへ移行。作成者による確認・有効化が必要

Workspaceの管理者向け案内には、GeminiアプリでのSkillsの提供を2026年10月13日に開始し、11月中旬までに完了する予定と記載されています。また、11月17日にはGemsを[設定]へ移し、その段階では引き続き作成・編集・利用できるとされています。[4]

業務で使っているGemがある場合は、名前・用途・カスタム指示・参照資料を確認し、どのアカウントで利用しているかを整理しておくことをおすすめします。

今日使えるかは、利用条件と画面で確認する

2026年10月6日に確認したGeminiアプリの作成ヘルプは、Skillsの提供を個人のGoogleアカウントから段階的に進めていると案内しています。必要条件として、18歳以上、個人アカウントでのログイン、[アクティビティの保存]がオンであることを挙げています。[3]

同ヘルプでは、仕事用・学校用アカウントは、その時点で対象外と記載されています。一方、Workspace側には前節の提供予定が案内されています。現在の利用条件と、今後の提供予定を分けて確認してください。

本記事の操作例は、Skillsが利用できるアカウントで、パソコンのGeminiウェブアプリを使う場合を対象にしています。Googleの段階的な提供案内に沿って、ご自身の画面に[スキル]が表示されるかを確認してください。[3]

仕事の資料を扱う際は、組織が認めたアカウントと利用方法を確認しましょう。機能を試すために、業務上の機密情報や個人情報を個人アカウントへ移すことを前提にしない進め方が適切です。

最初のスキルを作る手順

公式ヘルプでは、Geminiとの会話、テンプレート、手動入力、ファイルのアップロードなどによる作成方法を紹介しています。ここでは、ブラウザで内容を確かめながら手動で作る流れを取り上げます。[3]

01

[設定]から[スキル]を開く

Geminiウェブアプリのサイドバーで、[設定]→[スキル]へ進みます。利用可能な画面で操作します。

02

[手動で作成]を選ぶ

スキルの名前、何をするかの説明、従ってほしい指示を入力し、[作成]を選びます。

03

チャットで選んで使う

チャットで「/」を入力し、作ったスキルを選びます。そのうえで、整形したいメモなど、今回の作業の材料を渡します。

04

元のメモと比べて、指示を調整する

ここからはGood Steadの提案です。項目の順番が合っているか、未記載の数字や日付を補っていないかを確認し、必要な指示を短く追加します。

既存のGemを手動で再作成する場合も、Googleは、Gemの名前・説明・カスタム指示を新しいスキルへコピーする手順を示しています。知識ファイルを含む場合には追加の操作があるため、公式の移行手順を確認してください。[2]

仕事で試すなら、週報・メール・会議メモから

以下は、繰り返す指示を整理するためにGood Steadが作成した例です。導入実績や作業時間の削減効果を示すものではありません。まずは、架空のメモや公開してよい内容で、期待する書式に整うかを試してください。

例1:週報の書式をそろえる

説明欄には「日々の業務メモから週報の下書きを作るときに使用する」と記し、指示欄には次のように書きます。

入力された業務メモを、「今週実施したこと」「残っている課題」「来週の予定」の順に整理してください。各項目は箇条書きにします。メモにない成果、数字、担当者、期限を追加しないでください。判断に必要な情報がなければ、最後に「確認が必要なこと」として列挙してください。

使うときは、スキルを選んだうえで今回のメモを渡します。固定するのは書式と確認のルールで、毎週の実績はその都度入力します。

例2:メールの文体をそろえる

入力された要点をもとに、取引先へのメールの下書きを作成してください。丁寧で簡潔な表現を使い、件名・本文の順に出力します。宛先名、金額、納期、約束する内容は、入力に明記されているものだけを使用してください。足りない情報は送信前の確認項目として示してください。

出力を確認する際は、文体だけでなく、相手に約束する内容が増えていないかも見ます。下書きを整えるスキルと、メールを送信する操作は区別して扱いましょう。

例3:会議メモの整理方法をそろえる

入力された会議メモを、「決定事項」「検討中の事項」「次の対応」に分けて整理してください。担当者と期限は、メモに明記されている場合だけ記載します。意見や提案を決定事項へ変更しないでください。曖昧な記載は「要確認」として、元の表現を残してください。

指示に「推測しない」と書いても、回答の正確さを保証するものではありません。元のメモと下書きを照合し、数字・日付・決定の有無を人が確認します。

Googleの作成ガイドも、使用する場面が分かる説明、焦点を絞った指示、出力のテンプレートや例を勧めています。[5]最初から多くの仕事を一つに詰め込まず、一つの用途で試すと、指示の改善点を見つけやすくなります。

移行前に確認したい機能の違い

Gemsで使っていた機能を、そのまま使えるとは限らない

Googleの移行ヘルプは、SkillsがCanvasやDeep Researchにまだ対応していないと説明しています。動画の作成、音楽の作成、ガイド付き学習なども、現時点で対応していない機能として挙げています。[2]これらを使うGemがある場合は、カスタム指示の移行と、機能が使えるかの確認を分けて進めましょう。

GeminiアプリとWorkspaceアプリのスキルは、自動同期されない

Workspaceの管理者向け案内では、両者のスキルは現在同期されず、両方で使うにはGoogle Workspace Studioで手動で再作成する必要があるとされています。[4]「一度作れば、どの画面にも同じ設定が反映される」と考えず、利用する場所を確認してください。

自動適用する指示を管理する

Geminiが自動で使用できるのは、有効になっているスキルです。不要になったスキルは、[設定]の[スキル]ページで無効にできます。[3]Good Steadでは、用途と責任者が分かる名前にし、業務の書式が変わった際に指示も見直す運用をおすすめします。

毎回直している部分を、一つの指示にする

Skillsを試す入口は、日々の仕事で「いつも同じ説明をしている」「毎回同じ並べ方に直している」部分を見つけることです。週報の項目、メールの文体、会議メモの分類など、担当者が良し悪しを判断できる用途から始めましょう。

使う場面と、守ってほしい書式を短く言葉にし、一つの例で試して確認する。その積み重ねが、AIへの依頼を業務に合う形へ整える足場になります。

参考資料

Google公式情報を2026年10月6日に確認しました。本文に記載した将来の日付はGoogleの公表予定です。業務での活用例、指示例、運用の提案はGood Steadが作成しています。

  1. Google:Let skills in Gemini tackle your most repetitive tasks(2026年9月30日)
  2. Gemini アプリ ヘルプ:Gem からスキルへの移行について
  3. Gemini アプリ ヘルプ:Gemini アプリ向けのスキルを作成して管理する
  4. Google Workspace Help:About the transition from Gems to skills
  5. Gemini Apps Help:Write effective skills for Gemini Apps